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「2009 京都大学附属病院 初期診療・救急科病棟 現況報告」
診療成績
私は、昨年度まで外来医長として救急外来の運営に携わらせていただいておりましたが、平成21年4月より病棟医長を勤めさせていただくこととなりました。 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
振り返りますと、平成20年1月、泌尿器科・呼吸器外科の一般病床であった南5階病棟内に救急科病床が5床開設されました。 同年4月より救急科病棟として“本格稼動”の運びとなりました。当時、マンパワーが決して十分でない中での船出でしたが、太田医師の孤軍奮闘の活躍にもより、 安全な “take off” をスローガンに石橋を叩いて渡るかのような診療を展開しました。また京大病院の病棟にとりましても、全ての症例が緊急入院であり、 外因性疾患から急性疾病まで、若年者から高齢者にまでと疾患内容・年齢層ともに幅広く、平均在院日数が他科に比べ極端に短い、 といった救急病棟の特性に非常に戸惑うことも多かったのではないかと思います。しかし、病棟スタッフの理解と協力のもと、無事に初年度を乗り越えることができました。
今春からは、別府医師、中野医師の加入により、救急病棟運営のさらなる充実および診療の質の向上を図るべく、 救急外来担当医に加え救急病棟担当医の2列勤務体制が組まれるようになりました。その甲斐もあり、入院患者数および占床率の増加に成功し、 また安全な診療が行えているものと自負いたしております。 京大病院では、肺移植や心臓血管外科手術の再開もあり、 重症管理を行う集中治療室の絶対数が不足しており、脳卒中を始め重症疾病や重症外傷、自殺企図を伴う急性薬物中毒等の受け入れにあたり、 難しい側面が存在します。その様な中で、社会や地域および院内のニーズに少しでもお応えできるよう、微力ながら努力 した結果を以下に示します。
2008年度 | 2009年度予測 (上半期実数×2) |
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初期診療・救急科入院患者総数(人) | 214 | 276 |
男性(人) | 83 | 176 |
女性(人) | 131 | 100 |
平均在院日数(日) | 4.07 | 4.62 |
占床率(%) | 42.4 | 65.9 |
現在京大病院では、現在建設中 の新棟(積貞棟)を「がんセンター」として機能させるために、がん診療に関連する診療科の多くをこの積貞棟に集約させ、 講座の垣根を越えた横断的な集学的 がん診療が行えるよう準備が進んでいます。それに伴い来春より、既存病棟での病棟再編が行われ、 当科は南3階病棟へ移転し脳神経外科とご一緒することが決まっております。すでに次年度以降の病棟運営に関する話し合いが始まっており、 SCUの開設等が検討されています。またお蔭様で当科の門を叩く若い先生方も増えてまいりました。今後救急病棟が臨床・教育そして研究の場として、 さらなる飛躍ができますよう努力いたして参ります。
引き続き、皆様から温かいご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。