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Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(10)
講座だより
Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(10)
前回は、米国フェローシップ応募におけるERAS書類の準備について書きました。今回は、その後に待っている面接について紹介したいと思います。
1.Interview Invitation(面接招待)
まず、呼吸器/集中治療フェローシップのマッチングの全体像を簡単に紹介します。2025年には229のプログラムがあり、816のポジションが提供されています。応募者は約1,100人程度で、約800人がマッチし、およそ300人がマッチしないという状況でした。マッチ率は約70%前後となっています。まず面接に呼ばれること自体が大きな関門になります。日本の専門医研修のマッチングと大きく異なる点は、応募すれば面接が保証されるわけではなく、プログラム側が書類を審査して面接する候補者を選ぶという点です。私自身も150程度のプログラムへ応募しましたが、実際に面接の招待を受けたのは15プログラムほどでした。面接に呼ばれるかどうかにはいくつかの要素があり、そのプログラムとのコネクションがあるかどうか、米国医学部卒業生か海外医学部卒業生か、そしてVISAが必要かどうかなどです。私の場合はVISAが必要な海外医学部卒業生であるため、可能な限り多くのプログラムに応募しました。
2.面接形式(ほぼオンライン)
近年のフェローシップ面接は、ほとんどがオンラインで行われます。ZoomやMicrosoft Teamsを使用し、各プログラムごとに面接日が設定され、その中で複数の面接が順番に行われる形式が一般的です。プログラムディレクター、指導医、そして現役フェローなど、4〜6人ほどとそれぞれ20〜30分程度の面接を行います。プログラムによっては、30分の面接を7回あるところもありました。その合間にはプログラムの紹介やフェローとのQ&Aセッションが設けられることもあり、プログラムの雰囲気を知る貴重な機会でもあります。私の場合、ハワイから面接を受けていたため、アメリカ本土との時差もありました。多くのプログラムは東海岸や中部時間で面接を行うため、朝3時ぐらいの早朝から面接が殆どで、体力的にはなかなか大変でした。
ただし、数年前まではフェローシップ面接の多くが対面形式で行われており、応募者は全米各地のプログラムを実際に訪問して面接を受ける必要がありました。航空券や宿泊費などの負担はかなり大きかったと聞きます。その点、現在のオンライン面接は移動の必要がなく、金銭的な負担が大きく軽減されたと言えると思います。
複数のプログラムの面接を受けていくと、それぞれのプログラムの文化や教育方針の違いが少しずつ見えてきます。研究を重視する施設、臨床経験が豊富な施設、フェローの人数や役割など、それぞれに特色があります。面接は評価される場であると同時に、自分に合ったプログラムを見極める機会でもあると感じました。
3.面接が終わった後(ランキング)
すべての面接が終わると、次に行うのがRank list(志望順位表)の作成です。応募者は自分が面接を受けたプログラムを希望順に並べて提出し、同時にプログラム側も応募者を順位付けします。これらの順位をもとに、NRMP(National Resident Matching Program)のアルゴリズムによって最終的なマッチングが決定されます。
面接を受けていくと、それぞれのプログラムの特徴や教育方針の違いが少しずつ見えてきます。呼吸器/集中治療フェローシップの場合でも、プログラムによって経験できる内容には大きな差があります。例えば、ECMO管理を積極的に行っている施設もあれば、ECMOをほとんど扱わない施設もあります。また、肺移植は限られた大規模大学病院でしか行われていないため、フェローシップ中に移植医療に関わる機会があるかどうかもプログラムによって異なります。
私の場合は、ECMOなどの集中治療をどの程度経験できるか、肺移植医療に関われる可能性があるか、そして研究を行う環境が整っているかといった点が、プログラムを順位付けする上で重要な要素でした。プログラムの知名度だけではなく、自分がどのような医師になりたいのかを考えながら順位を決めていく作業だったと思います。

オアフ島から飛行機で30分のところにあるカウアイ島のSleeping GiantというTrailの頂上。レジデントも最終学年になり、他の島にもいく余裕がでてきました。