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「被ばく医療講演会(1)~ 安心して被ばく医療に携わるために~」開催 

講座だより

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京大病院で初めて開催した「被ばく医療講演会」

2015年7月22日(水)17時から、公益財団法人 原子力安全研究協会 放射線災害医療研究所 所長 山本尚幸先生をお招きして、「被ばく医療講演会① ~安心して被ばく医療に関わるために~」(主催:京都大学大学院医学研究科 初期診療・救急医学分野、共催:京都大学医学部附属病院)を第一臨床講堂で開催しました。

2015年4月、京大病院は地域災害拠点病院の指定を受けましたが、福井県内の原子力発電所が再稼働した場合、京大病院は、緊急被ばく医療ならびに原子力災害医療における中心的役割を果たすことが求められます。このたびの講演会は、まだ知識のない医師、看護師、放射線科技師、事務職員が、被ばく医療に関して基本から理解できるように企画されました。

山本先生の講演の内容は、「何をすればよいかわかりますか?必要なのは、一般的な災害対応の知識とほんの少しだけの正確な放射線の知識です」、「なぜ放射線の知識が必要ですか? 1)自分や住民が無駄な被ばくと汚染をしないため、2)冷静に災害対応を行うため、3)地域を風評被害から守るため」と非常に明快なものでした。また、今後国内で被ばく医療体制が再構築された暁には、京大病院は「原子力災害拠点病院」に指定されるだろうとのことです。
その際、京大病院の役割は以下のようになります。
原子力災害発生時、1)汚染の有無にかかわらず傷病者等を受け入れ、被ばく者の診療を行う、2)専門のトレーニングを受けた医療チームを現地に派遣し、緊急被ばく医療、災害医療、救護所支援等を行う、3)府下の災害医療協力機関の教育等を行う、4)メンタルヘルスケア等の専門的支援を行う。
原子力災害時以外では、1)府下の研究機関等で発生した汚染傷病者等を受け入れる、2)核テロ等の際に傷病者を受け入れる、3)原子力発電所で多数傷病者が発生した場合等に、傷病者の受け入れ、医療チーム派遣等の支援を行う。

講演会終了後も、山本先生には会場からのさまざまな質問に丁寧にお答えいただき、参加者一同に取りましては誠に有意義な勉強会となりました。次回の被ばく医療講演会は、山本尚幸先生を再びお招きして、2015年10月28日(水)に行います。乞うご期待!

(文責:小池 薫)

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