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初期診療・救急医学講座 特別セミナー

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 初期診療・救急医学講座 特別セミナー「EBMって何?ガイドラインって何?」
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野
中山 健夫教授

2012.3.8、教室に京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野 中山 健夫教授をお招きし、 「EBMって何?ガイドラインって何?」という題名でご講演をいただきました。
一部では誤解が多く、実地の臨床家であるほどネガティブなイメージを抱いていることもある、「EBM」「ガイドライン」という項目について、 その真の意味と、本来の目的を明快にお示しいただき、また、ガイドラインの医療関係者と患者さん・社会とを繋ぐツールとしての役割や、 新しいエビデンスの評価コンセプト(CRADE法)、患者さんの立場に立脚したガイドライン作成の方法論など、多くの知見をご講演いただきました。

“EBM is the integration of best research evidence with clinical expertise and patients values.
(EBMとは、質の高い臨床研究に基づくエビデンス・医療関係者個々の経験・患者さんの受ける利益や価値観などを融合して行われる医療である)”

“From GOBSAT (Good Old Boys Sitting Around the Table) to Evidence-based consensus
(専門家の意見の集約の時代から、エビデスに基づいたコンセンサスの時代へ)”

“While there always will be uncertainty in clinical practice, ensuring that clinicians have trustworthy guidelines will bring more evidence to bear on clinician and patient decision making
.(医療には『絶対』は存在しない。しかし、臨床家は信頼できるガイドラインを手にとることにより、多くのエビデンスを知り、 (実際の臨床現場で)患者とともに物事を決定していくのに役立てていくことができる。)”

“Guideline is [soft law]. Comply or explain
(ガイドラインは法律用語でいうところの[soft law]に当たるかもしれない。そうであれば、 『ガイドラインに従うか、そうでなければその理由をきちんと患者さんに説明する』、という原則を守っていくことが法律的には重要かもしれない.)“

“Shared decision making (患者さんや社会などと共有した意志決定)”

など、重要なキーワード、定義、コンセプトを大変わかりやすくご教授いただき、本当に勉強になりました(日本語は西山訳)。
本当にお忙しい中、貴重なご講演をいただき、ありがとうございました。
深く御礼申し上げます。

(文責:西山 慶)

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