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施設の枠をこえて味わえた達成感 ~琵琶湖ロングライド160を走り終えて~
講座だより
● 施設の枠をこえて味わえた達成感
~琵琶湖ロングライド160を走り終えて~ 京大救急・自転車部 加藤 源太
- A: もう8月になっちゃったけど、この前の6月12日、京大救急の自転車部が、こんどは琵琶湖を自転車で一周したんだよ。
- B: そうか、じゃあそのころからちょうど「一定のめどがついた」から、責任をとってこの記事を書いてるっていうわけか?
- A: それは政治の話だよ!っていうか責任も何もないし!
- B: え、お前まさか9月以降も続投するつもりなの?
- A: だから何の関係もないよ!!無理やり話を繋げるなよ!でも今回は琵琶湖一周、前回は淡路島一周、 どっちも関西の自転車乗りにとっては憧れのコースみたい。1日たっぷりかかるコースで、そのぶん何ともいえない達成感も味わえるんだよ。
- B: でも、そんなイベントどこが主宰してたの?特に聞いたことはないけど。
- A: 前回はイベントツアーに参加する形式だったけど、今回は、完全に僕たちが一から企画したツアーなんだよ。
- B: へえ。お前も行ったのか?
- A: うん、前回ははじめての長距離ライドでどうなるかと思ったんだけど、今回は2回目で少しは余裕をもって取り組めたかな?
- B: 何人ぐらいで行ったの?
- A: それが、ありがたいことに京大救急のみならず、京都医療センターと天理よろず病院の自転車好きたち、 それから救急外来で去年まで受付事務をやっていた戸上君まで、前回の淡路島の話をきいて参加してくれたんだよ。
- B: 結局、全部では大所帯になったんだね。
- A: そう、最終的には15人が参加してくれたんだよ。忙しい先生方が時間を作って参加してくれたのは、ほんとうに嬉しかったね。これが出発前の全体写真だよ。
- B: このメンバー、ひと昔前だったら、ゴルフコンペかなんかやってたんだろうな。
- A: 何だよ、その変にシニカルな言い回しは!ゴルフもいいかもしれないけど、自転車だって、とにかくみんなで一緒にやるっていうのは思いのほか楽しいもんなんだよ。 今回はそれを実感したね。
- B: 確かにそうかも知れないな。ところで、今回はどんなコースを走ったの?
- A: 事前にこんなポスターを作ったんだけど、琵琶湖大橋から南は交通量が多くて危ないので、北側だけを一周するコースにしたんだ。 ちょうど左側に琵琶湖を眺めるようなコースで、景色を味わえるんだ。それでも計算上、全体で160km近くに達するんだよ。 初心者も少なくなかったので正直、みんなが完走できるかどうかはやってみないとわからないかな、って思ってたんだ。 でも、みんな事前にしっかり準備してくれてたみたいで、無事完走を果たせました!
- B: このコースを完走するのって、何時間くらいかかるもんなの?
- A: 時速20kmキープでも7~8時間でしょ。これに休憩や信号待ちを数時間足すと、10時間は見とかないといけないな、って最初の時点で計画したんだ。 だから、まず、スタートは朝6時!初心者も多いし、これだけ人数がいると何が起こるかわかんないから、やっぱりできるだけ早めの集合がいいだろうっていうことで、 みんなにはがんばってもらいました。でも、医療センター組も天理組も、遅れることなく5時過ぎには集合場所に着いてくれたんだよ。
- B: 朝6時ってすごいな…
- A: 京大組は、「主管校」っていうことで絶対に遅刻しないよう、あらかじめ先乗りして、近くのホテルで前泊したんだ。夕食には、精をつける意味も込めて、みんなで焼き肉を食べたんだよ。
- B: えっ、こ、この時期に焼き肉…まさかユッケとか…
- A: バカかお前!なんでわざわざネガティブなこと言うんだよ!ここは井手先生が昔から知っているお店で、みんなでしっかり焼いておいしく食べて、 体力充電できたんだよ!いちいち変な心配しなくていいんだよ!
- B: いやあ、あえて下痢状態に持ち込んであのサドルで自転車ロングライドするっていう、究極のM企画だったのかと思ってびっくりしたよ。それでも、160kmは大変だったんじゃない?
- A: いい加減にしろよ!ただ、当初心配していた雨の降りはじめが予想以上に遅くて、最後にちょっと祟られた程度で済んだんで、ホントに助かったよ。 何といっても、スタート時点から土砂降りだと、みんなのモチベーションがそがれてしまうからね。
- B: そっか。じゃあ快調に飛ばせたってわけか。
- A: ところが、なかなかそううまくもいかなくて。このコースはだいたい20~30km間隔で休憩地点を設定していたんだけど、 最初の休憩地点にたどり着くまでに、まず加藤先生のタイヤがパンクしてしまったんだよ。正直、あのときはこの調子で大丈夫かな、って心配したね。
- B: ちゃんと修理できたの?
- A: 経験者の藤田先生が手伝ってくれて、なんとかうまく治せたみたいだよ。
- B: みんなに迷惑かけてるのに、この写真の表情、緊張感なくない?
- A: お前なんで突然まっとうなこと言いはじめるんだよ!とにかく、最初の休憩地点で予定より少し遅れてしまったのは事実だけど、 そのあとみんなが順調に遅れを回復してくれたのは、何よりありがたかったよ。
- B: コースの途中で、見どころとかはあったの?
- A: 思っていた以上にいっぱいあったよ。たとえば、開始1時間ほどで目にした長命寺界隈の湖畔の景色は、 道沿いの風情ある木々と霞がかった湖面のマッチングが、何ともいえない味のある雰囲気だったね。
湖畔といえば、この集合写真を撮った地点、大浦あたりなんかは、いちばん「湖畔」の風情があったかなあ。 あまり人の気配もなくて、暑過ぎず、薄曇りの空と相まって、なんだか神秘的な感じすらしたよ。
それ以外にも、意外と単純に田畑のあいだを淡々と漕いでいるだけでも何だか癒される気がしたんだよ。 不思議だよね。同じように、お昼に道の駅で食べた地元野菜のバイキング料理も、素材や味付けが素朴で優しく、ほんと気に入ったよ。
あとは、休憩地点での水分や栄養補給。これは自転車の醍醐味だな、って思うね。 いつもおなかが減っちゃうからついつい飲みすぎ食べすぎになっちゃうんだけど、とにかく休憩地点にたどり着いた時の達成感といい、 みんなで自転車の話をしながら飲んだり食べたりすることといい、これがたまらなく楽しいんだよ。 - B: へえ、じゃあ、意外とみんなスムーズにフィニッシュできたんだ。
- A: いやいや、コースも半ばをさしかかったころに、このツアーの最大のトラブルが発生したんだよ。県道557号線が通行止めになってて、 このコースでいちばん静かで景色が楽しめそうなコースが断たれたんだ。ただみんな体力、気力とも残っていたから、めげずに引き返して、 国道303号線を通るルートに迂回することに成功したんだよ。交通量が多くて、坂もあって、おまけに薄暗く長いトンネルを通らなきゃいけなかったんだけど、 あれは文字どおりみんなのチームワークで乗り切れたね。
- B: そこから先は大丈夫だったの?
- A: 最後はすこし雨にたたられたけど、これは織り込み済み。結局、予定より少し遅れたけど、17時には琵琶湖大橋までみんな無事に辿り着きました。 今から思えば、あんまり晴れていたら体力の消耗がきつかったかもしれないから、結果オーライだったんじゃないかな。おかげさまで、 全員そろって感動のフィナーレを迎えることができたよ。写真を見てのとおり、みんなの達成感がそのまま表情に出てるでしょ!
- B: そうだね。いい写真が撮れたね。
- A: 京大組のみならず、医療センター組、天理組みんなが無事にフィニッシュできて一緒に楽しめたのが何より良かったなあって、 今にして思うね。大きな仕事を前にしたときのチームワークの重要性を実感できたよ。 これって、いろんな診療科やスペシャリストたちと治療にあたる救急医療にも通じるんじゃないか、とすら思うね。
- B: そのあと合コンで「じつは上下関係ハンパない」とか暴露したりして。
- A: いちいち時事ネタを織り込むなよ!!