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Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(6)
講座だより
Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(6)
今回は救急科ローテーションについて書かせてもらいます。
ハワイ大学内科のプログラムでは、インターンイヤーの間に2週間の救急科ローテーションがあります。ハワイ大学には救急科のレジデンシーがないため、指導医の先生は本土でトレーニングを終えた先生たちです。救急科ローテーションで感じた日本の救急との違いは、救急医の数の多さと救急外来の個室診察室の多さです。
救急医の数は、常に救急外来に10人近くいるように感じました。また、米国の救急医は病棟を持たないため、常に救急外来にいることになります。救急医のシフトも、単に日勤と夜勤に分かれているのではなく、それぞれの出勤時間および退勤時間を数時間ずつずらしていることで、勤務時間が終わりに近づいている医師は時間のかからない患者の担当をし、時間どおりに帰ることができます。もちろん、勤務時間が終わると他の医師に引き継ぎをします。
また、救急外来には個室だけで30室程度あります。少なくとも私が働いてきた日本の病院では、ERのベッドの数が限られており、なるべく早く入院か退院の判断が必要でしたが、アメリカではERで入院まで何時間も過ごすことも珍しくありません。虚血性心疾患が疑われる患者では、トロポニンのフォローアップや心エコー検査も救急外来で行われています。もちろん、アメリカでは入院すると医療コストが高いという背景もあると思います。
内科救急の実践面でいえば、日本と違い、胸痛での虚血性心疾患や肺塞栓の頻度が多いことと、意識障害の鑑別診断に必要な検査です。日本では違法薬物の検査はあまり行われていない印象ですが、アメリカでは意識障害の患者に対してはルーチンの検査となっています。ハワイではメタンフェタミンの中毒や離脱症状が多いです。また、こちらでは違法薬物を使っている場合でも、患者が自ら申告してくれることが多いです。
ディズニーのホテルがあるコオリナビーチではよくアザラシを見ることができます。
ワイキキからも車で30分程度で着くことができます。