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Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(7)
講座だより
Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(7)
ナイトフロートについて
今回は、アメリカでのナイトフロート(夜間勤務)について、特にハワイ大学内科レジデンシープログラムでの経験を基に、日本の当直制度と比較しながら書きたいと思います。
アメリカにおけるナイトフロートの概要
アメリカの病院では、一般的にナイトフロートという勤務形態が採用されています。ナイトフロートとは、夜間に限定したシフト勤務で、夜勤専任のノクターニスト(Nocturnist)が常駐する仕組みです。ノクターニストは、日中働くホスピタリスト(入院患者を主に担当する医師)と同じ給与を得ながら、勤務日数が少ないことが特徴です。たとえば、ハワイではノクターニストが3日働けば6日休みというスケジュールで勤務することが一般的です。この制度は、医師の負担軽減と夜間医療の質向上を目的としています。
ハワイ大学内科レジデントでのナイトフロート
ハワイ大学内科プログラムでは、ナイトフロートのレジデントが夜間の病棟管理と新規入院の対応を行います。勤務の役割は次のように分かれています。
- クロスカバー
既に入院している患者の病棟管理を担当します。これは4つのレジデントチーム、合計50人程度の患者をカバーするもので、夜間の急変対応や指示の更新などを行います。 - 新規入院担当
救急外来(ER)からの新規入院患者を受け持ちます。一晩で約4人の新規入院患者を担当することが一般的です。
また、ハワイのQueens Medical Centerでは、ナイトフロートのレジデントはICU(集中治療室)の患者をカバーする必要がありません。病棟で急変し、ICUへの入室が必要となった患者さんの場合には初期対応を行い、夜間のICUチームに連絡し、引き継ぐ形となります。
勤務時間は午後5時30分から翌朝6時過ぎまでで、クロスカバー担当のレジデントは週1日、入院担当のレジデントは週2日の休みが設けられています。日本ではスタッフレベルでも当直の際には24時間勤務が一般的ですが、アメリカではレジデントの段階では24時間連続勤務がある場合がありますが、研修が終了すると24時間連続勤務はほとんどありません。一方、日本では夜間専任医師の制度は一般的ではありませんが、アメリカではノクターニストが夜間医療を支えています。
オアフ島の東に位置するHAWAII KAIではトレッキングで有名なココヘッドや、ウォーターフロントの住宅が多いです。