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Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(9)
講座だより
Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(9)
米国のフェローシップマッチは、レジデンシ―と同じくERAS(Electronic Residency Application Service)という全国統一の電子応募システムを通じて行われます。
書類の完成度が面接の可否に直結することも多く、書類作成は事実上「最初の関門」となります。
書類の準備の締め切りの4,5カ月前から準備しました。
- ERASの書類
ERASの書類は大きく以下の項目から構成されます。
• Personal Information(基本情報)
• Education(学歴)
• Experience(臨床・研究・ボランティア活動)
• Publications / Abstracts / Presentations(業績)
• Personal Statement(志望動機文)
• Letters of Recommendation(推薦状)
• USMLE Scores(試験結果) - CVの棚卸し
書類準備において最も時間がかかったのは、実はCV(履歴書)と業績の整理でした。
日本の医学部を卒業してから米国レジデンシーに至るまで、多くの人が研究、教育、ボランティア、学会発表といった多様な活動を経験します。
しかし、ERASではこれらを短い文章で要点を押さえ、応募する科ごとにフィットするように書く必要がありました。最近ではレジデンシ―のアプライも含めて、Meaningful experiencesといって経歴とは別に具体的にどういったことをしたのか、何故そうなのか具体的に書く必要がありました。 - Personal Statement
フェローシップ応募の核心とも言えるのが、Personal Statement(志望動機文)です。
呼吸器/集中治療の場合、
「なぜCritical Careなのか?」
「どのような臨床医・研究者になりたいのか?」
を論理的かつ個人的なストーリーとしてまとめる必要があります。
ICUで経験した忘れられない症例、ECMO管理を通して得た学び……。
書くべき材料は多くあるのですが、それらをただ並べるだけでは印象に残りません。
最も苦労したのは、文章に“専門性・熱意・これまでの経験”のバランスを持たせることでした。
内容の半分はレジデンシ―にアプライしたときの内容をつかいましたが、私は20回以上書き直しを重ねました。英語は友人のネイティブに何度も確認してもらいブラッシュアップしてもらいました。 - 推薦状
フェローシップでは通常、3〜4通の推薦状(LoR)が必要になります。
LoRは書類の中でも最も重要な書類の一つで、
「この候補者はフェローとして信頼できる」
という第三者の声がプログラムの判断に大きく影響します。
臨床能力だけでなく人間性を具体的に記してくれる推薦状が非常に重要になります。
とくに自分の所属するプログラムディレクターからの推薦状はかなり大事であり、毎回の評価がここに反映されるため、レジデント達は各ローテーションを頑張っているといっても過言ではありません。 - ERAS書類の提出
日常の勤務の合間に書類を整える作業は思った以上に骨が折れるものです。
しかし、提出ボタンを押した瞬間、
「いよいよ面接ラウンドが始まる」
という実感とともに、緊張と期待が同時に胸に広がりました。
ERAS書類の準備は、留学への第一歩であると同時に、
自分がどんな医師になりたいのかを改めて見つめ直す作業でもありました。
次回は面接での経験について書いていこうと思います。

レジデンシ―も三年目となり、初めてハワイ島に行きました。写真はムーンボウという満月の夜に見える景色です。