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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(21)
講座だより
Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(21)
5/2019
「Vacationと医師の働き方」
5月になり、アメリカではGWはないのですが私はVacationに突入しています。さてアメリカのResidencyではどれくらい休みがあるのでしょうか?
答えは、1年に3-4週間です。日本での研修を考えるととてつもなく長いです。Mount Sinai Beth Israelでは2週間のVacation blockが年度の前半と後半に1回ずつとれることになっており、その間はいかなる業務も休みとなります。だいたいのResidentは里帰りしたり、旅行に行きます。聞いた中ではタイ、中国、カンボジア、日本などアジアに行っている人が多かったです。
以前も書いていますが通常のローテーション期間中にも休日は十分とれるようにACGMEの規定で決まっています(週80時間、連続24時間まで、週1日は24時間連続オフを与える)。私は基本的に外来後に患者さんに電話をしたり、病棟では引継ぎ後にダブルチェックをしてから帰るのでかなり遅い方ですが、それでも残業は少ないです。今までの最長はMICUのnight float 6連勤で84時間(上記は4週間平均であるため、これは違反ではありません)ですが、病院で寝たことはありません。週末は家族と出かけるなどしてリフレッシュして、空いた時間で臨床研究をすすめたり無理なくできていると思います。日本での初期研修では主治医にはならなかったので夜中の呼び出しなどはありませんでしたが、後期研修に進んでいたらまた違っていたのだろうと思います。
どうしてこれだけ研修医のオフタイムを確保できるのでしょうか?おそらく必要十分な人員を確保し管理しているからだと思います。外来、一般病棟、ICUすべてInternal MedicineのResidentで回しており交代可能なために長期の休暇が可能となっています。外来は予約枠がいっぱいになれば当日来院は受け付けませんし大幅遅刻は出直してもらいます(こちらでは「応召義務」はなく、われわれの外来は午後5時で終了します)。入院チームはNight FloatやJeopardyによるカバーがあるため、勤務時間中は忙しいですが終了後は安定して睡眠時間を確保することができます。また、国全体では診療科ごとの医師数を制限しているため専門科が増えすぎず、PA (physician assistant), NP (nurse practitioner) といった医師に準じて臨床業務を行える職種が存在すること、物理的に医師が少ないへき地ではtele-medicine (遠隔医療) を活用して対応するなど、システムはよくできていると思います。また、多くの職種でそうですが医師でも女性が日本と比べると多く、特にInternal Medicineでは半分強が女性です。定年もないため70-90代でも臨床を続けているドクターもいます。
日本の医師の労働時間や医学部受験の問題が最近取り上げられているのを目にして、やはり日本は全体に医師不足であると思うと同時に、その人的資源を有効活用しきれていないのではないかと思いました。すべてアメリカと同じになる必要は全くありませんが(上記はおそらく医療費やContinuity of Careを犠牲にして成り立っていますので)、日本も変わっていかないといけないのだろうと思います。
前回に続きWashington DC近郊の観光地National Harborで撮った写真です。NYCから他の街に来るとどこもゆったりとしていて、アメリカの広さを実感します。