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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(26)

講座だより

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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(26)

10/2019
「Evaluation」
アメリカの臨床研修プログラムはACGME (Accreditation Council of Graduate Medical Education) によって標準化されており、ローテーションの規定、到達目標、労働時間の規定などが一定の条件を満たすように厳しく管理されています。研修医の進級・修了・就職に関して重要なのが同僚や指導医からの評価で、日々の業務態度は非常に重要です。同様な評価をもとにMedical SchoolでもMSPE (Medical Student Performance Evaluation) という成績票が作成され、Matchの際に参考にされるため臨床実習に対して不真面目な学生は就職に影響することになります。また、指導医が一方的に評価するのではなく、指導医も医学生や研修医からの評価の対象となります。
具体的には、毎回ローテーション終了時に一緒に働いた医学生・研修医・指導医の評価をオンラインで記入します。項目は例えば「医学知識は十分か」「患者の状態を十分把握しているか」「患者・家族とのコミュニケーションは良好か」「エビデンスを診療に適切に取り入れる能力があるか」「教育熱心か」「時間に正確か」などについて5-7段階で評価するのと、最後に良い点・改善点を文章で記入します。例えば病棟ローテーションだと2-4週間同じチームで働いたintern、指導医に対してのEvaluationを提出します。指導医のEvaluationの項目には「この指導医が今後も研修医指導を続けることに賛成するか」という項目もあり、問題があると判断された指導医はteaching serviceから外されるといった処分があり得ます。
半年に一回、Program Directorと面談し上記のEvaluationを一緒に確認し、その後の到達目標を確認します。基本的にまじめに働いていれば大丈夫ですが、悪い評価をもらってしまうと留年・解雇といった処分があり得ます(実際に研修医が解雇になった例、また指導医で研修医指導を禁止された例を知っています)。また、研修医は年度末に研修プログラムについての評価を提出し、プログラム側は問題点があれば改善に努めます。ACGMEは定期的にプログラムの査察もしており、規定に違反すると最悪の場合研修プログラムの認定取り消しとなるため大変です。
実際はプログラムによるばらつきも少なからずありそうですが、一定以上のレベルの医師を安定して育成するシステムとしては機能していると思います。

先日初めてChicagoにいったときに、Deep dish pizzaを食べました。深めのパイ生地にチーズと具がいっぱいで、思ったよりしつこくなくて気に入りました。

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