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2016年度 第5回「被ばく医療講演会」開催 

講座だより

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2016年度 第5回「被ばく医療講演会」開催

文部科学省「課題解決型高度医療人材養成プログラム」
被ばく医療シリーズ講演会第5回、『災害現場で役立つ放射線の知識 中級編』が2016年11月25日(金)18時30分より第一臨床講堂で開催されました。

 

講師は前回に続き、京都医療科学大学教授、京都大学大学院医学研究科非常勤講師の大野和子先生にお願い致しました。受講対象は、主に事務、看護師、放射線科以外の医師等であり、今回も院内の様々な部署から多数の参加がありました。

 

 

まず、放射線とその影響に関する基礎知識のおさらいとして、放射線・放射能を表す単位である「Bq(ベクレル)」、「Gy(グレイ)」、「Sv(シーベルト)」の解説から始まりました。放射線による生体影響について確定的影響や確立的影響があること、放射線の作用では細胞レベルでDNA損傷、修復、細胞死が起こっていることについて理解を深めました。
遺伝的影響に関する疫学調査結果、放射線作業従事者管理の基本とされている直線モデルなど専門的な内容については図表を用いて丁寧に解説して頂きました。

続いてのテーマである原子力防災では、緊急被ばく医療、災害現場における汚染スクリーニングと除染について詳しい解説がありました。
急性放射線症候群において被ばくした線量に応じた前駆症状や具体的な治療法について知識を整理しつつ、原子力災害時の安全管理には遮蔽、距離、時間を念頭においた核医学診療の安全管理に準じて行われることなども学習しました。

 

 

最後に汚染スクリーニング、除染において計測に必要な各種機器類の解説、対象となる核種、安定ヨウ素剤の服用効果、セシウム137の生物学的半減期など、原子力災害時に必須の知識整理を行いました。続いて京都市行財政局防災危機管理室よりお越し頂いた木上氏、岩城氏による寸劇を交えた「簡易除染デモンストレーション」は、楽しくかつ理解し易く有益な学習の場となりました。

(文責:森)

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