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Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(4)

講座だより

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Dr. Hiraoのハワイ奮戦記(4)

今回はハワイ大学での入院病棟のローテーションについて書かせていただきます。インターンの中で一番大変なのがQueens Medical Centerでの病棟ローテーションです。朝6時に夜勤の研修医からの申し送りがあるので、5時半過ぎには出勤することになります。

患者さんの診察はチームで行い、1チームはアテンディング(指導医)、アッパーレジデント(研修医2 or 3年目)、インターン(研修医1年目)、医学生からなります。アメリカの研修では研修医が業務負荷にならないように一人が診る患者さんの数の上限が決まっており、研修医1年目は9人までとなっています。患者さんの数が一桁なのは一見するとそんなにしんどくないように思えますが、アメリカの平均入院日数は4.6日で患者さんの入れ替わりがかなり早いです。忙しい日には5人退院して、5人新しい患者さんをとる日もあります。新しい入院が来るとまずアッパーレジデントと治療方針を立て、急ぎで入れないといけない薬やオーダー、各科へのコンサルトを済ませます。その後アテンディングの先生にプレゼンをして治療方針の確認という流れになります。

ACGME(アメリカでの研修を管理する機構)によって研修医の労働は週に80時間までと決められており、基本的にはそれ以上は働いてはいけないことになっています。80時間を超えるとプログラムから呼び出しをされ、改善点などのフィードバックを受けるようです。日本ではなんとなく病院に長くいる先生が真面目で偉いという風潮がありましたが、アメリカでは仕事が終わればすぐに帰宅するため、病院に必要以上に残っていると時間以内に仕事を終わらせる能力がないとみなされてしまいます。休みは週一日のため、始めのうちはこの時間以内に終わらせることに苦労しました。

アメリカではホスピタリスト(病棟専属医)の制度があり、内科の病棟ローテーションの際にはホスピタリストとしての仕事で基本的にほぼすべての内科疾患をみることができます。日本で救急医として働いていた時には心筋梗塞の患者さんが来た時には循環器内科にコンサルト、消化管出血が来た時には消化器内科にコンサルトし、その後の入院後は担当することは基本的にはありませんでした。アメリカではホスピタリストが主治医として担当し、適宜必要な科にコンサルトという形をとっています。鎌状血球症など日本では中々見ることのない疾患などに加えて、それぞれの科の疾患を主治医としてみることで診れる疾患の広さが広がるのはこちらに来て研修したメリットだと思いました。(もちろんこの制度を導入している病院も日本にありますが)

ハワイは日本人が多いので数多くの日本食がありますが、物価は高いです。
ラーメンを外で食べるとチップも含めて3000円以上します。

 

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