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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(17)
講座だより
Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(17)
1/2019
「Preventive Medicine① Immunization – 予防接種」
皆様あけましておめでとうございます。早いもので、3年間の内科臨床研修のうち半分が終了してしまい、今年はResidency終了後の進路を決める年になります。ますます忙しくなってきそうですが、少しずつ前進できるよう頑張っていきたいと思います。
Preventive Medicine予防医学というのは日本では比較的発達していない分野かと思います。破傷風トキソイドやHPVワクチンの接種率の話をすると驚かれますし、会社の集団検診や自治体のがん検診、人間ドックなどの科学的エビデンスに必ずしも基づかない健康診断システムを説明するとだいたい皆興味深く聞いてくれます。アメリカではそういったことは基本的にPMD (かかりつけ医) の仕事です。
普段の内科一般外来では患者さんの急性の疾患はもちろん優先的に対応しますが、新規の患者さんや慢性疾患を持っている患者さんのフォローアップの外来ではできるだけ予防接種、生活習慣病や悪性疾患のスクリーニングに漏れがないように確認し時間が許す限り患者さんと相談して希望されるものをオーダーします。今回はImmunization (予防接種) について書いてみます。
小児では、インフルエンザ、肺炎球菌、Hib (Haemophilus influenzae type b), ポリオ、ロタウイルス、Tdap (破傷風・ジフテリア・百日咳) 、MMR (ムンプス・麻疹・風疹) 、水痘、HAV、HBV、HPV、髄膜炎菌が定期接種です。日本脳炎はありません。日本のように集団で定期接種というのではなく、PMDである家庭医または小児科医で投与します。
成人に関しても同様に定期接種をPMDで行います。インフルエンザワクチンは毎年、基本的に全員に接種をすすめます。Tdapは10年毎 (成人は厳密には破傷風とジフテリアだけでよい) です。肺炎球菌ワクチン(Pneumovax (PPSV23), Prevnar (PCV13))は65歳以上(喫煙、糖尿病、心疾患、肺疾患などがある場合はそれ以前にもPneumovaxを投与)に投与します。50歳以上でshingles (帯状疱疹) のワクチンを投与します(以前は60歳でしたが、最近不活化ワクチンが出てCDCの推奨年齢が50歳に下がりました)。肝疾患がある人で免疫がない場合は、HAV, HBVワクチンも接種します。また脾臓摘出後や兵役にある者に対しては5年毎に髄膜炎菌ワクチンの追加接種が必要です。これらは外来で毎日やっていますが、全員に対してチェックし、漏れがないようにしています。
アジア、アフリカ、中南米に旅行を予定している人が外来にやってくることもあります。CDCのウェブサイトで推奨されるワクチンをチェックし、HAV、日本脳炎、黄熱病、チフスなどのワクチンを接種するほか、マラリアに対する予防内服薬が必要になる場合もあります。
日本ではあまりないですが、Northwestはロブスターが美味しいです。お店の水槽で泳いでいました。