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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(28)

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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(28)

12/2019
「Residency Match① USMLE」
冬になり、最近はスーツ姿のMedical Studentを見かけることが増えました。アメリカのMedical StudentはNRMP (National Resident Matching Program) という機関が管轄するマッチングを通じて就職先を決定する者が大多数です。日本の初期臨床研修マッチングも基本的にこれを参考にしていると思いますが、こちらのほうが書類の準備などより大掛かりな印象です。自分もそろそろResidency修了が見えてきたので、経験談を交えて書いてみたいと思います。

Residency Matchは毎年9月に応募が始まります。応募するためには、医学部卒業もしくは卒業見込みであり、成績証明書や推薦状などの書類がそろっている必要があります。またUSMLE (United States Medical Licensing Examination) の結果も提出する必要があります。アメリカでは基本的にMedical Schoolの最終学年である4年生が対象で、USMLE STEP2 CK/CSはまだ終了していない場合もよくありますが、IMG (International Medical Graduates) はすでにMedical Schoolを卒業している場合のほうが多いので、USMLEはすべて合格した状態で応募したほうがよいと考えられています。高得点で合格していればMatchの応募の際にアドバンテージになるため、重要です。USMLEに関しては日本語でも多数の勉強法などが書籍やウェブサイト上で参照できるので基本的な情報に留めますが、概要を記載したいと思います。

 

①USMLE STEP1
基礎医学の試験です。300問強のmultiple choice形式のプール問題をCBT形式で回答します。AMG (American Medical Graduates) は2年次までに受験し合格することが3年次への進級要件となっているようです。生理学、生化学、微生物学、病理学、薬理学、行動科学など幅広い範囲からの出題で、大量の医学知識の暗記が高得点につながります。日本では東京と大阪で受験が可能です。私は5回生のときに約1年かけて準備し、受験しました。今ではそれもほぼ忘れてしまいましたが…

 

②USMLE STEP2 CK (Clinical Knowledge)
STEP1と同様、multiple choiceの試験ですが臨床医学の知識が問われます。国家試験のような感じですが、当然アメリカの医療を想定しているので少しずれがあります。AMGは卒業までに合格する必要があります。IMGに関しては臨床実習開始後に受験可能だったと思います。初期臨床研修の間を縫って半年ほど準備して受験しましたが、学生時代に受験していたほうが集中して対策できたかもしれません。

 

③USMLE STEP2 CS (Clinical Skills)
日本ではOSCEがありますが、それと同様にSP (Simulated Patients) との医療面接および診療録記載を行う実技試験です。CIS (Communication and Interpersonal Skills), SEP (Spoken English Proficiency), ICE (Integrated Clinical Encounter) のサブコンポーネント毎に採点され合否が判定されます。1日かけて12人のSPとのencounterを行うのでかなりハードです。最近採点基準が厳しくなり、Non-native speakerにはますます鬼門となっているようです。とにかく練習して減点を食らわないようなパターンを確立することが重要です。私は沖縄の米国海軍病院に入職後、同僚と約2か月ひたすら練習して受験しなんとか一発で合格できましたが運もよかったと思います。受験会場はAtlanta, Chicago, Houston, Los Angeles, Philadelphiaの5か所で、日程を確保するのも結構大変です。IMGはSTEP1, STEP2 CK/CSの3つに合格するとECFMG CertificateというResidencyに必要な書類を申請することができます。

 

④USMLE STEP3
STEP1 / STEP2 CKと同様、CBT形式の試験でMD/DO degreeの取得後に受験することができます。臨床メインですが基礎医学の内容も出題され、総まとめのような試験でResidency終了までに合格する必要があります。2日間におよぶ膨大な出題数で、multiple choiceの問題とCCS (Computer-based Case Simulations) という模擬症例の診療を行うという変わった問題形式があります。合格すれば点数はあまり気にされないようですが、IMGに関してはビザの種類に関係してきます。受験はアメリカ国内のPrometric test centerでしかできないため渡米する必要があります。私は海軍病院在籍中にGuamで受験してきました。学生時代に部活の同期旅行で行ったときは楽しかったですが、1人ではあまり楽しめませんでした。

 

私自身もFellowshipの就職活動が終了して、空港で少しだけ贅沢をしました。Fajitaというメキシコ料理を始めて食べましたが、とても美味でした。

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