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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(8)

講座だより

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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(8)

itとモニターがない病棟があるので、たとえば頻拍性心房細動が落ち着いたなどの状況で転棟してきたりします)の際の引継ぎ、と引継ぎが本当に多いです。救急外来で入院時の評価をした医師が退院まで診続けることは非常に珍しいです。そして退院した患者さんは退院サマリーだけ持たされ、入院中のことはほとんど何も知らないPCP (外来主治医) のもとに帰っていくわけです。

このシステムの問題点としては、各引継ぎの段階で一応必要最低限の情報は伝わるようになっていますが、基本的には細かい点は患者さんに再度確認し、カルテを見直し、とやっていくことになるのでContinuity of Care(ケアの継続性:厳密にはより複雑な分類があるようですが、一般的には特定の医療者が継続して診療にあたることを指します)が犠牲になることです。患者さんにとっても、毎日たくさんの医師やメディカルスタッフがやってくるので一体誰が誰で何を行っているかとても分かりにくくなっています。主治医チームのインターン、レジデント、アテンディングのほか、コンサルトが入るとそのチームの医師も2-3人ずつやってくるので一日中同じような質問に答え続けることになります。一方良い点は、医師もシフト制で交換可能となるため、疲労が溜まった状態での診療を減らせる点、まとまった休暇をとることも可能な点です(アメリカの研修プログラムでは年間4週間の休暇が与えられることが標準的です)。

日本では外来で診ていた患者さんが入院して来たら入院中も主治医として担当し夜も呼び出しになることが多いと思います。後医は名医(英語では ”Hindsight is 20/20” といいます)とはいうものの、やはり外来から入院中まですべてを把握している主治医がいたほうが患者さんにとっては安心だし、効率よくいくだろうと思うことが多いです。

3/30はNational Physician’s Dayらしく、病院からクッキーが配られました。なかなか手が込んでいます。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/National_Doctors’_Day

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