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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (10)

講座だより

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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (10)

4/2021
「Medical ICU④ Night Float」

 

ようやく雪がなくなり、Rochesterにも春が近づいてきました。Fellowship 1年目も半年強が終わり、この間はMICU Night Floatでした。Internal Medicineでもそうでしたが、Pulmonary / Critical Care MedicineではだいたいどこのプログラムでもICU Night Floatのローテーションがあります。Fellowship 3年間のうち毎年4週間ずつ、合計約3か月はひたすら夜勤のみを行います。他の内科系専門診療科ではCardiologyを除き自宅でPagerを持ち質問の電話があれば対応するという形態が主流のようです。

私の所属しているプログラムではNight Floatは金曜夜を除く週6日、6:30PM – 6:30AMの勤務のためこのローテーション中はかなりハードです。Strong Memorial HospitalのMICUチームの患者 (2チーム分、30人ぐらい) の夜間の管理、および新規コンサルト・入室をすべてさばく必要があるため、非常に忙しいです。Night FloatチームにはResident (Internal Medicine PGY-2/3) 1人とIntern (IMまたはEmergency Medicine PGY-1) が1人ずつと、場合によっては準夜勤のResidentがもう一人つきます。Internはすでに入院している患者全員のCovering provider (担当医:ファーストコール) となり、看護スタッフからのコールに対応したり、深夜にルーティンでとられる血液検査をチェックして電解質の補正や輸血などの細かいマネジメントを行います。ResidentはInternからの相談を受けつつ新規ICUコンサルトを初診でみにいったりRapid Responseに対応します。Fellowの役割は個々の患者の細かい把握というよりは、擬似AttendingとしてResident / Internの監督、また彼らができない事柄の対応(人工呼吸器の設定、手技など)になります。夕方のSignout (引継ぎ) をDay teamから受けたら、急を要する事柄があればまず対応し、activeな患者はできるだけベッドサイドにいって状況を確認・看護スタッフとコミュニケーションをとります。Residentとは新規コンサルトに関しては密に連絡を取り合い、ICU入室の適応判断、初期治療の方針について相談します。シンプルなDKA、Naloxone持続静注を要するオピオイド中毒などの症例ではほぼ対応できるResidentが多いですが、人工呼吸器の管理、ショック患者のPoint-of-care ultrasoundを用いた鑑別, 心肺停止蘇生後のTargeted Temperature Managementなどは基本的にこちらで評価して治療方針を決定します。

だいぶローカルルールも理解してきたため、だいたいのことはなんとかなりますが、ベストな対応がわからない場合、予想外の急変、特定の薬剤の使用(筋弛緩薬や肺血管拡張薬など)やそのほか重大な出来事があった際にはOn callのAttendingに電話して相談することになっています。他のMICUチームのPA/NPも勤務しているので人手が足りない場合は応援を頼むこともあります。Attendingが院内にいない関係で、挿管は麻酔科、胸腔ドレーンは胸部外科にほぼ全てやってもらう形になり手技は少なめですが、Decision-makingのかなりの部分を自分の裁量でできるので個人的には満足しています。

休暇を利用して近く(といっても100マイル離れたCorningという街)にあるガラス美術館に行ってきました。ガラス作り体験ができ、子供達にも好評でした。

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