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京都DMAT研修

講座だより

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 京都DMAT研修

平成27年2月7日、8日の2日間、第2回京都DMAT養成研修会が開催されました。 災害に強い京大病院を目指している当院からは、1チーム5名(当科医師森、佐藤助教、鈴木看護師、大橋業務調整員、山形業務調整員)が参加してきました。 1日目は座学を中心に、DMATの活動、日赤の災害活動、警察の災害対策などについて学習し、職種別講義が行われました。 2日目は消防の災害対策、精神科救急などの学習後、災害のシミュレーションを行い、総合演習を行いました。チームを代表して佐藤、鈴木両氏にレポートをして頂きました。

1日目: 佐藤隆平 助教

京都DMAT研修1日目、受付にて今日は座学中心ですと聞き、研修がスタートしました。
しかし、途中で今日の最後にはトランシーバー、トリアージの確認テストがあると判明し、緊張感がじわりと皆を包みました。
夕方まで、講義が続きました。久しぶりの座学ですが、DMATの意義、CSCATTT(Command and Control, Safety, Communication, Assessment, Triage, Treatment, Transport)の説明等を分かりやすく講義していただき、眠気に誘われることはありませんでした。また、ランチョンセミナーとして、市立福知山市民病院の北川昌洋先生による「福知山花火大会露店爆発」の活動事例は臨場感が伝わり、訓練の必要性を痛感するものでした。
そして、最後にいよいよ確認テストが始まりました。トランシーバーのテストでは、事故現場に先着したDMAT隊員として必要な情報を本部に伝えるという、現場であり得る場面が想定されていました。皆、難渋しつつも何とか乗り切りました。次は、トリアージテストです。テストの部屋に入ると、そこには複数傷病者が倒れているではありませんか!練習では、一人づつだったのに・・・。事前の学習および実習を糧に、こちらも全員がクリアーしました。一日、あっという間でしたが、疲れました。
やはり、これを癒すのが夜のDMATです。「つながる」をキーワードに様々な職種、他施設の方々と一緒に飲んで、お話をして明日の活力を得ました。

(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻 臨床看護学講座 クリティカルケア看護学分野)

 

2日目: 鈴木 敦 看護師

研修2日目、昨日の講義漬けとは異なり演習がメインとなるので、体も動かせるし頑張るぞ~。と意気揚々と研修に臨みましたが想像以上に激しいものでした。
午前中は他院DMATチームと混成チームを作り、出動要請から救護所での活動までを机上でシミュレーションしました。昨日の講義で得た知識をフル活用しなんとか乗り切りました。職種の垣根を越え各々が積極的に発言し、非常に有意義なものでした。
そして午後、メインイベントの救護所演習が始まりました。我々は宇治徳洲会DMAT
、京都市立病院DMATとチームを組むことになりました。場面設定は負傷者120名の列車事故です。初めての救護所設営に戸惑う中、トリアージで赤の判定を受けた患者が救護所内に次々と搬送されてきます。医師・看護師はPAT法を駆使し患者の状態を把握、適切な治療介入を行い、医療機関への搬送に耐えれるようパッケージングを行います。ロジは現場での情報管理、本部との情報伝達を行い、リーダー医師は患者の状態を一覧にまとめ、搬送の優先順位を決定し本部へ伝達。まさにCSCATTTです。
1回目の演習では指揮系統が乱れる、患者の情報管理が錯綜する、救護所設営に不備があるなど多くの反省点が見つかりました。そして臨んだ2回目の演習では先の反省を踏まえ、森救護所医師リーダー、佐藤看護師リーダー指揮のもと、素晴らしいチーム力で演習を乗り切ることができました。宇治徳洲会DMAT,京都市立病院DMATの隊員の方々も素晴らしい活躍をされていました。修了式後は凄まじい疲労感に襲われましたが、終わってみればチームの結束力は固まり、次の訓練が待ち遠しく感じられました。
災害はいつ起こるか分かりません。そのため今回の研修で日頃からの準備や訓練の必要性を強く感じました。また京大病院DMATとして改善すべき多くの課題を確認することもできました。今後、京大病院 京都DMATとして地域に貢献できるよう努力して参りたいと思います。

(京都大学医学部附属病院 放射線部・高圧酸素治療部)
(写真提供:京都府、京大チームは蛍光イエローのユニフォーム)

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