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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(13)

講座だより

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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(13)

9/2018  「Consult」

4週間のelectiveを利用して、Pulmonary Consult (呼吸器内科コンサルト) のローテーションをMount Sinai本院でおこなってきました。マンハッタンの下町に位置するMount Sinai Beth Israelと比べ、病床数は5倍 (約1100床) 、各専門科が揃い造血幹細胞移植や肝臓・腎臓移植も行っている大学病院です。建物は大きくてカフェテリアも充実、場所もセントラルパーク東のUpper East Sideでよいところでした。
今回はコンサルト全般について書いてみます。アメリカの多くの病院ではシステム上すべての入院はInternal Medicineなどの病棟チームが主担当になるため、各専門科の医師が主治医になるのではなく、コンサルタントとして主治医チームにアドバイスをするという形をとります。コンサルトは基本的に主治医チームが必要と判断した場合に行われます。たとえば診断や治療方針に関して助言がほしい場合、特殊な薬剤、検査や手技が必要な場合です。ACS (急性冠症候群) とか急性心不全では基本的にCardiologyが入りますし、SAB (黄色ブドウ球菌菌血症) や骨髄炎ではID (Infectious Disease, 感染症内科) が呼ばれます。日本だと院内紹介状みたいなもので結構詳しく記載するのに対して、意外とこちらではPagerでコンサルト担当者に連絡し電話で簡単に用件を話すだけです。コンサルトチームは患者の状態を評価し、カルテ記載をします。重要事項は直接コミュニケーションをとってタイムリーに診療が進むようにします。
結果として血圧、血糖、電解質の管理、日々のオーダーや退院調整などの細かい(けれどもすごく大事な)仕事は主治医チームによって行われ、各専門科は自分の専門領域の病態の管理だけに集中できるわけです。これは各科が直接主治医になる日本のシステムと比べて、効率的に各専門分野を学べるという点で優れており、プロブレムが複数臓器にわたる患者さんを診療する場合に特に効果的だと思います。ただし、あまり簡単にコンサルトばかりしていると「船頭多くして船山に上る (英語では “too many cooks spoil the broth” などといいます) 」状態になりがちなので、主治医チームでたいていのことは対処できる力量があるのが理想です。

家族でマンハッタン、5th Avenueのユニクロに買い物に行きました。帰りに “Ikinari Steak” に寄り、お腹いっぱいになりました。マンハッタンに5店舗もあるそうです。

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