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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(29)
講座だより
Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(29)
1/2020
「Residency Match② 応募書類提出」
明けましておめでとうございます。今年は年越しをICU Night Floatで迎えました。アメリカでは年始は1月2日から通常営業なのであまり実感がありませんが、Fellowshipに進む重要な年なので気持ちを新たに頑張ろうと思います。
前回に引き続き米国臨床研修の応募について書いていきます。全米に各専門科ごとに数百の研修プログラムがありますが、ERAS (Electronic Residency Application System) という機関が応募手続きに関して統括しており、必要な書類を揃えれば多くのプログラムに一度に応募することができるようになっています。どこのプログラムでも大体求められるのは以下のようなものです。
①CV (Curriculum Vitae)
履歴書です。日本のように決まった書式はなく自分で作成します。学歴、職歴、資格、学会発表、論文、Volunteer Experienceなどを書きます。
②PS (Personal Statement)
和訳すると、自己推薦文です。なぜ○○科の△△プログラムに応募するのかをWordファイル1枚ぐらいで書きます。内容は自由にプログラムに興味を持ってもらえるようなものを書きますが、誤字・脱字などがあると大きなマイナスになるので注意が必要です。
③LoR (Letter of Recommendation)
上級医からの推薦状で、3枚以上、できれば4枚提出します。1枚は所属部署の長(研修部長や診療科長)からもらうことが通例で、他は自由ですができるだけアメリカの医師に書いてもらうことが重要とされています。アメリカはコネ社会なのでプログラム側は知りあいの医師からのLoRを提出してきた応募者は面接に呼ぶことが多いと思います。臨床実習で短期留学中にLoRを頼むのはチャンスがあればぜひやるべきと考えます。
④MSPE (Medical Student Performance Evaluation)
アメリカのMedical Schoolでは各実習ごとに細かく評価がつけられ、それをまとめた書類がMSPEです。京都大学でもフォーマットがあり実習の評価は簡易な記述にとどまりますが、特に問題はありませんでした。
⑤Medical School Transcript
医学部の成績票です。大学に依頼して作成してもらいます。
⑥Photo
証明写真も応募書類と一緒に提出します。
これに加え、USMLEのスコアの提出が求められます。IMG (International Medical Graduates) は、USMLE STEP1 / 2に合格するとECFMG Certificateという書類を取得することができます(IMGが米国で臨床研修をしてもよいという許可証のようなもの)。応募自体には必須ではありませんが、先に高得点で合格しておくと応募の際に有利に働きます。
もうHoliday seasonも終わりですが、Bryant ParkのHoliday Marketに家族で行ってきました。スケートリンクも賑わっていました。