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Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(7)
講座だより
Dr Maedaのニューヨーク奮戦記(7)
2018/3 「短い入院期間とObservation Unit」
アメリカの病院では入院期間が短いため非常に慌ただしいです。直近の正確な数字は定かでないですが、2012年のある統計では平均で4.5日となっており日本の2週間強と比較すると格段に短いです。理由は色々あると思いますが、保険制度の関係で早期退院をしないと経営が赤字になる、というのが大きいようです。例えば出産の入院は問題がなければ1泊~2泊で退院になりますし、骨髄炎など長期に抗菌薬が必要な場合はPICC (peripherally inserted central catheter) を挿入して業者にhome infusion therapyを依頼して在宅で(!)抗菌薬を投与し続けます。
その一方、2日以上滞在しないと料金体系が入院扱いにならず、病院が損をします(そもそも入院が必要ではなかった患者を入院させたととらえられ、保険がカバーしない)。そこで、救急外来で帰宅させることはできないがすぐに退院できる状態になると予想される患者さんはObservation Unitに滞在することになります。48時間以内に、帰宅するか入院するかを決定します。
具体的には「失神で心電図モニタリングで問題なければ帰宅可能」「蜂窩織炎で抗菌薬に反応して歩けるようになれば帰宅可能」「喘息中発作で早期に改善すれば帰宅可能」などが決まった状態でObservation Unitに転送されてきます。救急外来の延長線上ですが、やっていることは一般病棟業務と変わりません。よりタイムリミットを意識したマネジメントが必要になります。ローテーション中の業務自体は比較的単純で、アテンディングと密に連絡を取り合いながらどんどん新規患者をとり、検査治療を行い帰宅または一般病棟への転送の作業をします。病院側にとっては財政上必要なシステムですが、患者さんに対して良い方向に働いているかは不明です。
週末に家族で外食に行きました。日本では食べたことがありませんでしたが、ギリシャ料理が体にもよくて美味しいのでお気に入りです。写真はoktapodi skarasという蛸の料理。