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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (2)

講座だより

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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (2)

8/2020
「Medical ICU @Strong Memorial Hospital」

7月の最初はオリエンテーションでFCCS (Fundamental Critical Care Support) を受講したり、シミュレーション系の実習がいくつかあり、その後ローテーションが始まりました。今回は4週間過ごしたStrong Memorial HospitalのMICU (Medical ICU) ローテーションについて書いてみます。

Strong Memorial Hospitalは900床近くある巨大な大学病院で、ICUはMedical ICUのほか、Surgical ICU, Cardiac ICU, Neuromedicine ICU, Burn Trauma ICUがあります。Pulmonary / Critical Care MedicineのFellowのICU研修はMICUが大部分を占めており、敗血症、急性呼吸不全、急性心不全、低ナトリウム血症、DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)などが多く入室してくるのと、慢性呼吸不全 / 人工呼吸器依存状態の患者は全てICUに入院になります。忙しいですが医療スタッフはRN (Registered Nurse 看護師), RRT (Registered Respiratory Therapist 呼吸療法士), Pharmacist (薬剤師) をはじめとして非常に優秀でよく働いてくれるため、Resident・APP (Advanced Care Provider – PA (Physician Assistant 医師助手), NP (Nurse Practitioner 診療看護師)) からなるMICU teamは患者のアセスメント・プランに集中することができます。

MICU teamは3チームあり、各チーム受け持ち患者は平均で15人ぐらい、日替わりで入院を担当します。2交代制で、6:30に集合しNight Float teamから申し送りを受け、Resident / APPは患者の割り振りを行い、Pre-round, Progress Noteの記載を行い、9:00からAttending Roundになります。Roundは日によってばらつきがありますがteachingを交えながら患者1人につき15-30分程度でTo Doを共有し、オーダーやコンサルトもその場で入れていき、早い日で13:00頃には終了します。入院日や緊急事態が発生した場合には当然中断することになるため、夕方まで休憩をはさみながらRoundしている日もたまにありました。18:30にはNight Float teamに各チームごとに申し送りを行い、帰宅します。

Fellowの役割としては、チーム全体の監督、入室・退室の決定、ICUコンサルトの補助、気管挿管やCentral lineなどの手技などがあります。NYCでResidentをしていたときはInternの補助をしながら全てのマイクロマネジメント(ヘパリンの流量調整、バンコマイシンの用量調整、電解質補充など)をするのにかなりの労力を使っていましたが、FellowとしてはよりDecision Makingに集中できることになります。Resident達に簡単なteachingをする機会も豊富にあるため充実していました。ある程度経験を積んでくるとRoundをAttendingの代わりに仕切ることになるようです。まずは、これまでなんとなくやっていたことをEvidence Based Medicineに昇華できるようよく勉強しようと思います。

Fellowに昇格したため、共用のOfficeが与えられました。ICUから遠いのでまだ全く使っていませんが、Pulmonary Consultローテーションではここで静かに働くことができそうです。

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