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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (4)

講座だより

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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (4)

10/2020

「Pulmonary Consult @Strong Memorial Hospital」
Fellowship 3か月目はPulmonary Consult (呼吸器内科コンサルト) のローテーションをしています。コンサルトについては以前も書いたことがありますが、基本的には他科からの依頼を受けて呼吸器内科的な問題を解決する手伝いをする仕事です。コンサルトチームにはPulmonary Attendingがおり、その監督下にFellowが患者診療を行うシステムとなっています。今は最初のクールなので3年目Fellowが一緒にいるのと、Residentや医学生がローテーションしてくるので賑やかですが、場合によっては1人だけでコンサルトサービスを回す必要があるときも出てくるようです。
朝は7時頃出勤し、併科担当している患者のカルテをレビューし、再評価が必要な患者をピックアップして病室を訪問、いわゆるpreroundを行いできるだけProgress Noteも書いておきます(Attendingが診察後Co-signすることで診療報酬が発生するため)。検査結果を待っているだけの患者などはスキップすることにしています。Attendingとはだいたい10時頃に落ち合い、進捗を報告し一日のうちどこかのタイミングで再度一緒に患者を診にいきます。Attendingや自分の外来があったり、気管支鏡などの検査に行く必要があったり、カンファレンスがあったりするので回診の時間は日によってバラバラです。
日中は随時Pagerが鳴り、新規コンサルトが入ってくるのでできる限り診ますが夕方遅くに依頼が来た場合は翌日に回す場合もあります。だいたい1日に2-4件程度のコンサルトがあり、平均の担当患者数は10人弱です。基本的には病棟に入院中の患者で、多いのは主治医チームで治療に難渋している喘息、COPDの治療、ILD (Interstitial Lung Disease, 間質性肺疾患) や肺高血圧症などの複雑な呼吸器疾患で外来フォローされている患者が入院した場合、原因不明の呼吸困難、胸水や免疫不全患者の肺炎などで呼吸器内科的手技が必要な場合(胸腔穿刺、Pigtail胸腔カテーテル、PleurX® (皮下トンネル型胸腔カテーテル)、気管支鏡などなど)、などです。ICU患者はあまり診ませんが、Pulmonaryの専門医でないattendingの場合はコンサルトにつく場合もあります。LVAD患者の呼吸困難とか、脳死移植ドナーの気管支鏡などなかなか興味深かったです。
Attendingと話し合った後、適宜主治医チームに連絡をとり推奨を伝えます。だいたい5時ごろには解散し、カルテ書きなど残業があれば終わらせ、その日に行われたPFT (Pulmonary Function Test, 呼吸機能検査) の所見をつけてから帰宅します。ICUとは違いコンサルタントとして深い知識とマルチタスキング能力が必要とされるので違った大変さがありますが、大学病院だけあってバラエティ豊かな症例に恵まれています。

Upstate New Yorkは自然が豊かでよいところです。東のグランドキャニオンと呼ばれるLetchworth州立公園に家族で行ってきました。絶景でした。

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