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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (6)

講座だより

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Dr. Maedaの呼吸器集中治療科フェローシップの記録 (6)

12/2020
「Pulmonary Clinic」

11月は病院を離れ、1週間のVacationのあと、Pulmonary Subspecialty Clinicというローテーションをしていました。Clinicというのは地域によってややニュアンスに差がありますが、基本的に外来のことを意味します。Pulmonary / Critical Care FellowshipなのでICUにいないときは基本的にPulmonary (呼吸器内科) の研修をしており、週に半日のContinuity Clinicで呼吸器内科一般の外来を経験します。Subspecialty Clinicは呼吸器内科領域の専門外来の体験をすることができ、スケジュールも比較的ゆったりしています。具体的には、Severe Asthma (重症喘息), Tuberculosis (結核), Interstitial Lung Disease (間質性肺炎), Pulmonary Hypertension (肺高血圧症), Cystic Fibrosis (嚢胞性線維症) の専門外来を半日ごとにハシゴし様々な症例を経験します。これらについては次回以降に書くとして、今回はまず呼吸器内科一般外来について書きたいと思います。
URMCの呼吸器内科はStrong Memorial Hospital (SMH) 内の外来と、車で10分ほど離れたところにMary Parkes Center for Asthma, Allergy & Pulmonary CareというSMH附属の外来を持っており、Fellowはどちらかに配属されて自分の外来枠を持つことになります。私はMary Parkes Centerで木曜午後の外来枠があります。初診には1時間、再診には30分程度の枠があり半日で4-6人を診ます。診断のついていない慢性咳嗽や呼吸困難を初診で担当したり、あるいは入院中に自分がコンサルトで診た患者を継続で担当したり、卒業していったFellowの担当患者を引継ぎして診たりしています。Residencyのときと同じく、全症例をAttendingにプレゼンテーションし、Assessment / Planを話し合います。カルテはPrimary Care Physician (PCP) 宛てのLetter形式で書き、AttendingがCosignした後にPCPに送られます。
日本では呼吸器内科外来をしたことがないので比較はできないのですが、基本的にはPCPからの紹介での受診になるため背景が複雑な患者が多いです。必要な患者には外来受診と同じ日にPFT (呼吸機能検査 – 6分間歩行検査やFENO測定も) を外来の中にある検査室で受けてもらうことができます。処方薬は基本的にコンピュータシステムを通じて患者の指定するPharmacy (薬局) に送られます。血液検査、胸部X線・CT、心臓超音波検査、睡眠検査、気管支鏡検査なども必要に応じてオーダーします。最近はnicotine gumのサンプルを患者に無料で配布したり、Residencyの時と比べると、外来スタッフの数も多く全体的にサポートが充実している印象を受けます。
COVIDの影響で緊急性の低いPFTは制限されているのと、Zoomや電話で行うtelemedicine visitが増えているためやや複雑ですが、じっくり考える時間もありバランスのとれた研修ができていると感じています。

10月の写真ですが、近くのFarmer’s marketでハロウィン向けのカボチャをこんな感じで売っていました。小さいのを買って玄関に飾りました。

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